◆インド市場も劣勢に苦しむサムスン電子◆
現在サムスン電子は、韓国内のほか欧米、中国、インド、ベトナムなど6カ国でスマートフォン工場を稼働させているが、中国・天津工場(年平均3600万台、従業員数2800人)を昨年末の閉鎖決定後、ベトナムとインドに集約していく動きである。中国に残るもう一つの広東省・恵州工場(年平均7200万台を生産)も人件費の上昇を主因として撤退するのは時間の問題とみられる。
サムスン電子はインド・ノイダに約8000億㌆を投じて世界最大規模のスマートフォン工場を昨年7月に完成させた。現在の年産6800万台から2020年には1億2000万台のスマートフォンを生産する計画であり、ベトナムに次ぐ規模へと拡大する。
インドにおけるサムスン電子の拠点は現在、生産工場2カ所、研究開発(R&D)センター5カ所、デザインセンター1カ所である。サムスン電子R&Dセンター3カ所(電装事業ハーマンの2カ所を除く)に勤める研究開発の人材だけでも8000人を越える。
市場調査会社カウンターポイントリサーチによれば、インドのスマートフォン市場規模は昨年1億5000万台へと急成長しており、販売台数基準で前期比24%増、前年比5%増と拡大を続けている。規模において米国を抜き中国に続き世界で二番目に大きく、加えてインド市場は、ガラケーからスマートフォンへの代替需要も進行しているため、その重要性を増している。
このインドのスマートフォン市場で最近までサムスン電子は1位を占めていたが、昨年第3四半期には、中低価格と品ぞろえを武器とした中国・シャオミに1位の座を奪われた。
カウンターポイントリサーチが調査した2018年第3四半期インドスマートフォン市場占有率は、シャオミ27%、サムスン電子23% 、中国・VIVO10% 、印・マイクロマックス9% 、中国・OPPO8%の順となっている(図表①)。
インドのスマートフォン市場においてシャオミなどの躍進が続いており、サムスン電子とシャオミとのシェア格差は開く傾向にある。さらに
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