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2019/02/15

<Korea Watch>景気減速の危機をチャンスに

◆現代経済研が報告書、今年の韓国経済「希望要因」を選定◆

 現代経済研究院は報告書「2019年韓国経済の希望要因6+1」を発表した。今年は国内外景気の減速が続くと見込まれているが、韓国経済の基礎体力を強化し、今後国民所得4万㌦の先進国入りへの礎を築くべく「希望の要因」を選定した。具体的には、①国民所得3万㌦時代②積極的な投資政策③過去最大規模の財政支出予算編成④外貨健全性⑤中国人観光客の帰還⑥国際舞台での韓国人の活躍⑦南北経済協力だ。

 ①国民所得3万㌦時代―18年の韓国の1人当たり国民所得が3万㌦を超えたと推定される。これはOECD加盟国のうち22番目で、人口規模が5000万人以上での国家では世界7カ国目だ。人口5000万人以上の国で1人当たりの国民所得が3万㌦入りした前後5年間のマクロ経済指標を比較すると、韓国の経済成長率は相対的に高い水準にあり、物価上昇率および失業率も他国に比べて低い。さらに低い政府負債比率、経常収支黒字など、全般的にマクロ経済指標が良好なことが分かった。また、小幅改善傾向にある国民生活の質の水準が、勤労時間短縮重視の拡大などを契機に改善が期待されており、経済が量的・質的にバランスの取れた成長をすると予想される。

 ②積極的な投資政策―対内外の経済条件が悪化している中、経済成長率向上に向けた政策発表が続いており、経済活力を取り戻す一年になることが期待される。建設および設備投資の萎縮を防ぎ、市場と企業の活力を向上するためにコアプラットフォームの構築、民間投資の促進、地域経済の均衡発展等を推進すべきだろう。これにより韓国経済の躍動性を生き返らせる心肺蘇生術的な役割を果たす見込みだ。韓国経済の成長維持のために短期的な投資活力の向上と共に中長期的には経済体質の改善努力を持続し、低成長の固定化から脱却しなければならない。

 ③過去最大規模の財政支出予算編成―歴代最大規模の財政支出予算編成は沈滞危機に陥った国内景気に活力を吹き込む呼び水の役割をすると期待される。政府は国内景気の鈍化に対応するためにグローバル金融危機直後の09年以来、歴代最高水準の増加率(10・9%)で予算を拡大した。これに伴い、全般的な景気浮揚効果が予想される。特に雇用予算の拡大を通じた雇用不振の打開、インフラ予算の拡充等を通じた建設景気の軟着陸などが期待される。またR&Dおよび産業部門の予算が拡大して潜在成長力拡充の努力が持続すると見込まれる。


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