◆現代経済研が報告書、コンテンツ・ストリーミング市場を分析◆
現代経済研究院は報告書「コンテンツ・ストリーミング産業の成長動力化が急務」を発表した。近年、インターネット上で動画や音声などのコンテンツをダウンロードしながら同時に再生するストリーミングサービスを通じた音楽や映像コンテンツの消費が急速に増え、これらの産業が大きく成長している。全世界の音楽ストリーミング部門の売上額は2012年の7・3億㌦から17年66億㌦に年平均55・2%増加し、映像部門では全世界のネットでコンテンツを配信するオーバー・ザ・トップ(OTT)サービス市場の規模が12年の63億㌦から17年には247億㌦へと年平均31・4%成長した。ここでは、コンテンツ・ストリーミング市場が急速に成長した背景とこれに伴う機会要因、危機要因を調査して示唆点を導き出す。
ストリーミング・サービス市場の急速な成長背景を技術、産業、需要の三つの側面から調べた。第一に技術の側面としては、全世界のデジタル技術発達でインターネット利用率および移動通信加入者数が増加、データ伝送速度が上昇するにつれコンテンツ・ストリーミング・サービスが拡大した。ICTインフラの技術的発達によって全世界のインターネット利用率が12年の34・2%から18年には51・2%へと17%上昇し、移動通信加入者数も12年の63億人から18年には82億人へと6年間で23・2%増加した。
また移動通信では、2010年代の4G(第4世代)導入で、データ伝送速度が既存の3G(第3世代)に比べて5倍以上高速化され、ストリーミングを通じたコンテンツの提供が容易になった。
第二に、産業の側面からは、主要ICT企業のコンテンツ・ストリーミング・プラットフォーム事業への参入で、ストリーミングサービスの普及が急拡大する傾向であり、今後競争が激化する見込みだ。全世界のトップICT企業のほとんどがコンテンツ・ストリーミング・プラットフォーム事業に参加し、資本が集中することで市場がより一層急激に成長している。第三に需要の側面から、デジタル環境が身近にあった世代の浮上と、時間や空間の制約なしで利用することができるという利点を背景に、コンテンツ・ストリーミングサービスの需要が持続的に増加している。
90年代中盤~2000年代初期に生まれ、デジタル環境に慣れ親しんできたミレニアル世代を中心に需要が爆発的に増加しており、時間や空間の制約なしに個人が好むコンテンツを楽しんでいる。
次に、コンテンツ・ストリーミングサービスの発達と予想される機会要因と危機要因を調べた。
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