◆現代経済研が報告書、韓国の海外直接投資の特徴を分析◆
現代経済研究院は、報告書「韓国の海外直接投資の特徴と示唆―中国とアジア主要新興国の比較」を発表し、韓国の海外直接投資のうちASEAN(東南アジア諸国連合)およびインドへの投資が中国を超え、特にベトナムに集中していると指摘した。
韓国の海外直接投資は昨年、過去最高を記録し、対アジア投資の割合は依然として高い水準を維持している。特に、2008年の世界的な金融危機以降、ASEANやインドなどのアジア新興国への投資が中国を超えるなど、ベトナムを中心にアジア新興国の投資が増加する様相を見せている。本稿では、中国とASEAN主要国ならびにインドの新興国を対象に、韓国による直接投資の特徴を分析し、示唆点を導き出してみる。
韓国の海外直接投資額は2016年から急速に増加して、昨年498億㌦で過去最高を記録した。投資地域はアジア、欧州、北米の順に多く、特にASEAN・インドへの投資額は、2010年に中国を追い抜いて以降に増加傾向を示し、昨年は72億㌦と過去最大を更新した。
中国、ASEAN、インドのうち、過去10年間、韓国が直接投資を最も多く行った上位5カ国(ベトナム、インドネシア、インド、マレーシア、ミャンマー)を対象に、最近5年(2014年~2018年)と、それ以前の5年(2009年~2013)の投資内容を比較した。
比較の結果、これら新興国のうち、ベトナム向け投資額が以前の5年の47億㌦から、最近5年間には108億㌦に急増した。投資割合も同期間に11・9%から26・5%に増えた。半面、中国への投資額は、同期間に191億㌦から176億㌦に減少した。
ベトナムへの投資理由として挙げられる「低賃金の活用」の投資割合が圧倒的に増加。前の5年間の対ベトナム投資額のうち、低賃金活用目的の投資割合は30・1%だったが、最近5年では62・6%に急増した。
中国の場合、最低賃金が上昇し低賃金活用目的の投資割合が同期間に56・6%から19%に急減した。昨年時点のベトナム・ホーチミンの最低賃金は月172・8㌦で、
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