◆現代経済研が報告書、第1四半期の産業別設備投資動向を分析◆
現代経済研究院は報告書「産業別設備投資動向と示唆点」を発表し、設備投資の低迷が続き、今年第1四半期(1~3月)は2015年以来、最低を記録した。ここでは、製造業における景気動向と今後の主力製造業の設備投資環境を再点検して示唆点を見出す。現在の製造業における景気動向は、製造業の生産と出荷の伸び率が鈍化する中、在庫が拡大しており、設備投資の環境が悪化していると診断した。製造業の生産量と輸出増加率が減少傾向にあり、製造業の生産増加率は17年第3四半期以降の変動幅が大きく減少しており、18年に入り増加傾向にあった製造業の平均稼働率は18年8月以降、減少傾向に転換した。一方、通関ベースの輸出増加率も17年第3四半期以降、増加傾向が鈍化した後、19年第1四半期には減少傾向に転換し、対外的条件も悪化した状況である。製造業の出荷と在庫サイクルも鈍化ならびに下降局面にある。製造業の出荷増加率は17年第4四半期以降、減少幅が縮小しているが、まだ減少から抜け出せずにいる一方、同期間の在庫増加率は拡大し、製造業の業況が鈍化および下降局面にあると判断される。
また、企業の景況感を示す業況判断指数(BSI)は基準点の100㌽を下回っており、設備投資の調整圧力の悪化、国内の機械受注額や資本財輸入額の増加率低下などの要因によって今後の設備投資環境は低迷の状況が続くものと予想される。さらに、製造業全体の生産量と生産能力が共に不振で、設備投資の調整圧力がマイナスに転換。設備投資の先行指標である国内の機械受注額と資本財輸入額の増加率もマイナスを維持しており、近いうちに設備投資が反発する可能性は低いと思われる。他の代表的な設備投資の先行指標である資本財の輸入額の増加率も5カ月連続のマイナスを記録した。
産業別にみると、造船、石油化学などは、設備投資が回復局面にあることが分かった。造船業は、生産と出荷が共に増加し、生産稼働率は拡大している。設備投資の調整圧力はプラス幅が拡大している。造船産業における生産増加率は17年第3四半期に34・0%減まで下落した後、18年第4四半期には8・3%増となり、19年第1四半期は10・4%まで増加幅が拡大した。
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