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2020/02/28

<Korea Watch>揺らぐサムスン共和国 第72回                                                              国士舘大学経営学部客員教授 石田 賢 氏

◆インド・ベトナム市場で苦戦するサムスン電子◆

 最低賃金の引き上げに伴う製造原価の上昇、遅々として進まない規制緩和、近代化しない労使関係など、韓国企業にとって国内の経営環境は悪化の一途を辿っている。韓国内に投資をするインセンティブは見当たらず、財閥だけでなく中小企業の海外展開も加速している。

 サムスン電子のスマートフォンを例にとると、韓国内で唯一生産拠点となっているのは亀尾工場だけである。亀尾では、スマートフォンの中でもギャラクシーフォールド(折り畳み式)などのプレミアム製品の開発と生産に特化している。全世界で年間3億台前後の生産目標を掲げるサムスン電子にとって、


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