◆サムスングループお荷物の電装事業に薄日◆
サムスン電子にとって電装事業は、半導体、5G(第5世代移動通信)、AI(人工知能)などの技術とのシナジー効果が期待され、サムスングループにとっても相乗効果を発揮しやすい事業分野とみられてきた。ところが期待に反して、サムスン電子そしてサムスングループからも電装事業の発展性に疑問符が突きつけられている。8月に発表された240兆㌆の投資計画は、半導体とバイオにスポットがあたる内容であり、ここからは2018年の投資計画で有望事業として挙げられていたAI、ロボット、5G、電装事業などに本腰を入れるというメッセージが読み取れない。5年前に李在鎔副会長が、電装会社ハーマンを80億㌦で買収して以降、目立ったM&Aがないだけに、より一層ハーマンの事業展開に注目が集まっていた。
ここにきてハーマンに少し追い風が吹き始めたようである。金融監督院電子公示システムによれば、ハーマンの今年1~9月期の売上高7兆1867億㌆、営業利益3743億㌆、売上高営業利益率は5・2%と改善し(図表)、買収前の水準にはまだ及ばないものの、買収後としては最高の利益率を記録した。
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