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2022/05/20

<Korea Watch>韓国企業と日本企業 第115回 主権国家・緩衝国家・中立国と新国際秩序の萌芽②                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第115回 主権国家・緩衝国家・中立国と新国際秩序の萌芽②                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 多摩大学経営情報学部及び大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授、アクティブ・ラーニングセンター長。1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て現職。

◆韓半島の安保問題にスイスなど中立国が積極的役割◆

 現在の緩衝国家は、ウクライナ、ベラルーシがNATO(北大西洋条約機構:30カ国)とロシアの緩衝国であり、北朝鮮、台湾が米国と中国、アフガニスタンが米国とロシア、ヨルダンが中東安定化の緩衝国、韓半島が米国と中国・ロシアの緩衝地域である。また、伊勢崎賢治教授(東京外国語大学)は、『主権なき平和国家』で日本が米国と中国・ロシアの緩衝国家であると指摘している。一方、日本は、韓国と台湾を、中国・北朝鮮・ロシアから身を守る緩衝国と見ている。

 米国と中国・ロシアの緩衝国家・緩衝地域である北朝鮮、韓半島、日本の現状について分析する。ロシア・プーチン大統領は、極東戦略の一環として、北朝鮮を対米戦略に対する緩衝国家と位置付け、北朝鮮の核保有を容認している。また、日本・北方領土も緩衝地域としての戦略的価値を鮮明にさせた。


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