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2023/02/24

<Korea Watch>揺らぐサムスン共和国 第108回                   国士舘大学経営学部客員教授 石田 賢 氏

  • 揺らぐサムスン共和国 第108回                   国士舘大学経営学部客員教授 石田 賢 氏

◆脱中国に動くサムスンSDIのバッテリー事業(2)◆

 電気自動車(EV)の現状をみると、中国においてEVへのシフトが先行しているため大きな市場を形成している。EVの市場規模をみると、2021年の中国のEV販売台数は333万台に達しており、米国の67万台の約5倍、EU全体の174万台と比較してもほぼ2倍に近い。なお、22年の中国のEV販売台数は550万台に達したといわれている。EV販売台数に比例して中国のバッテリー企業の勢いが増している。世界1位のバッテリー企業であるCATL(寧徳時代新能源科技)をはじめ、中国企業は、世界最大のバッテリー市場を形成している。22年の実績をみると、CATLトップ1社だけで世界の37・0%のシェアを占めた。

 米国市場で主導権を握れるかどうかのカギは、基本的にはバッテリーの価格、安全性、充電時間と走行距離などであるが、いずれにしても、米国市場はIRA(インフレ削減法)を先行してクリアした企業が優位に立つとみられる。


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