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2024/01/26

<Korea Watch>揺らぐサムスン共和国 第119回                   国士舘大学経営学部客員教授 石田 賢 氏

  • 揺らぐサムスン共和国 第119回                   国士舘大学経営学部客員教授 石田 賢 氏

◆新規事業発掘に危機感を強めるサムスン電子◆

 2010年に李健熙前会長は、今後10年以内にサムスンを代表する事業や製品が姿を消すであろう、と危機経営を訴えた。この危機意識に裏打ちされた果敢な投資決定がサムスン式経営の代名詞であった。ところが李在鎔会長は、16年11月に電装会社ハーマンを80億㌦で買収して以来、大型M&Aも影を潜めている。新規事業として掲げているのは、グローバルIT、バイオ、人工知能(AI)、電装事業、ロボットなどであるが、バイオと電装事業を除いて目立つ事業に成長していない。

 既存事業の柱である半導体とスマートフォンに明るさが見当たらないため、サムスン電子の置かれた現在の経営環境は、以前とは全く異なる。それらに代わる新規事業を発掘するため、組織改編は目まぐるしく実施されている。


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