◆EV低迷に苦戦するサムスンSDIのバッテリー事業◆
サムスンSDIの事業は、売上の9割を占めるエネルギーソリューション部門と残り1割の電子材料部門から構成されている。主力のエネルギーソリューション部門は、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池、スマートフォン、ノートパソコン、電動工具用などの小型電池、ESS(電力貯蔵システム)用の大型電池を生産している。
欧米のエネルギー政策により、昨今の太陽光発電や風力発電など気象状況により発電量が一定しない自然エネルギーの供給を安定させる役割としてのESS市場は拡大しているものの、サムスンSDIにとって厳しい状況に追い込まれている。
韓国の市場調査会社SNEリサーチによれば、昨年グローバルESS用バッテリー市場占有率は、中国の上位4社だけでシェアが70%を超えている。中国企業は安価なLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを武器にESS市場を席巻している。この結果、サムスンSDIのESS市場占有率は4・9%にすぎない。
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