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2014/07/11

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第18回 韓国を輸出拠点化し稼ぎ始める日本企業                                                    多摩大学経営情報学部 金 美徳 教授

  • 多摩大学経営情報学部 金 美徳 教授

    キム・ミドク 多摩大学経営情報学部および大学院経営情報学研究科教授。1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。三井物産戦略研究所、三井グループ韓国グローバル経営戦略研究委員会委員などを経て現職。

◆韓国FTA網の積極活用を◆

 韓国企業の弱みの4つ目は、対日輸入に頼る部品素材である。日本は、韓国から毎年のように2兆―3兆円の対日貿易黒字を計上し、稼いでいる。片や、韓国は、対日貿易赤字の拡大を顧みず、日本から部品素材や機械装置を買って組立・加工したものを世界市場に売って、食べて行っている。このような韓日の貿易関係を見て、「韓国は、日本に首根っこを掴まれている」という見方をする専門家が少なくなかった。

 しかし11年東日本大震災以降は、「韓国に買ってもらって助けられている」という見方が出始めている。すなわち「日本は韓国に売ってあげるという関係」から「持ちつ持たれつの関係」に変わりつつある。最早、日本にとって韓国は最大の貿易黒字相手国であり、多くの日本の企業やビジネスパーソンは韓国とのビジネスで食べて行っているといっても過言でない。

 韓国政府は、部品素材の対日依存からの脱皮と対日貿易赤字の解消を図るべく、官民連携で国内産業の育成策を打ち出している。これまでこのアキレス腱の打開策は、なかなか見出せなかったが、ここへきて成果が見られるようになった。

 その1つは、日本メーカーが切り開いた電気自動車(EV)の基幹部品であるリチウムイオン電池市場に韓国勢が凄まじい勢いで食い込み始めていること。リチウムイオン電池市場の世界シェアは、07年には三洋電機とソニーが1位と2位を占め、日本勢が圧倒していた。


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