◆脆弱性について本格的議論を◆
韓国がこれまで世界で最も速いスピードで高齢化が進んできた日本より、遥かに速いスピードで高齢化社会に向かっていることは良く知られている。
例えば、高齢化社会(高齢化率7%)から高齢社会(14%)に突入するまで日本が24年(1970年―94年)かかり、高齢社会から超高齢社会(20%)まで7年(94年~2006年)かかると予想されたのに対して、韓国は各々18年と8年という予測である。このような急速な高齢化のなかで、ここで注目したいのは、韓国の高齢者をめぐる深刻な貧困問題である。
OECDの調査によれば、10年現在、韓国の高齢者の相対的貧困率は47・2%で、OECD諸国(平均12・8%)のうち極端に高く、ワースト1を記録している。06年以降、ワースト1であり続けており、その増加率もOECD諸国のうち最も著しいという。
韓国国内の統計データから高齢者の貧困率の推移をみると、年々高くなっている状況が確認できる。すなわち、絶対貧困率(最低生計費基準)は、03年に25・7%であったのが07年には27・5%、最新の11年の統計では30・2%となっている。
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