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2014/08/01

<オピニオン>韓国福祉国家を論じる 第6回 高齢者の貧困と年金制度                                       東京経済大学経済学部 金 成垣 准教授

  • 東京経済大学経済学部 金 成垣 准教授

    キム・ソンウォン 1973年韓国生まれ。延世大学社会福祉学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。東京大学社会科学研究所助教などを経て現在、東京経済大学経済学部准教授。

◆脆弱性について本格的議論を◆

 韓国がこれまで世界で最も速いスピードで高齢化が進んできた日本より、遥かに速いスピードで高齢化社会に向かっていることは良く知られている。

 例えば、高齢化社会(高齢化率7%)から高齢社会(14%)に突入するまで日本が24年(1970年―94年)かかり、高齢社会から超高齢社会(20%)まで7年(94年~2006年)かかると予想されたのに対して、韓国は各々18年と8年という予測である。このような急速な高齢化のなかで、ここで注目したいのは、韓国の高齢者をめぐる深刻な貧困問題である。

 OECDの調査によれば、10年現在、韓国の高齢者の相対的貧困率は47・2%で、OECD諸国(平均12・8%)のうち極端に高く、ワースト1を記録している。06年以降、ワースト1であり続けており、その増加率もOECD諸国のうち最も著しいという。

 韓国国内の統計データから高齢者の貧困率の推移をみると、年々高くなっている状況が確認できる。すなわち、絶対貧困率(最低生計費基準)は、03年に25・7%であったのが07年には27・5%、最新の11年の統計では30・2%となっている。


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