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2015/02/20

<オピニオン>転換期の韓国経済 第60回                                                       日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

  • 日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

    むこうやま・ひでひこ 1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より(株)日本総合研究所勤務、現在調査部上席主任研究員。中央大学経済学部兼任講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など。

  • 日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

◆対日自動車部品貿易◆

 2014年の韓国の対日貿易は、輸出額が前年比▲7・0%、輸入額が同▲10・4%となり、約215億㌦の赤字となった。対日貿易赤字が続くなかで、自動車部品分野が黒字となった。

 同年の自動車部品(ここではSITC784)の輸出先上位は、①米国(60・4億㌦)、②中国(56・4億㌦)、③ロシア(13・5億㌦)、④ブラジル(10・5億㌦)、⑤インド(7・8億㌦)、⑥日本(7・7億㌦)、⑦チェコ(7・7億㌦)と、日本を除いて、すべて現代自動車の現地生産が行われている国が占めた。

 注目したいのは、現地生産はおろか完成車の輸出実績の乏しい日本への輸出が増加していることである。この要因としては、以下に指摘する3点が考えられる。

 第1は、韓国製自動車部品の技術力(コストパフォーマンス)の向上である。これには、①完成車メーカーによる厳しい品質管理、②通貨危機後の部品企業の統合やモジュール化の推進、③高い技術力を有する外資系企業の参入、④日系企業を含む海外企業からの技術導入などが寄与した。

 現代自動車は00年12月、部品企業を集約して現代モービスを設立した(韓国最大の部品企業)。同社はモジュール化、プラットフォームの統合、部品の共有化などを推進する一方、ボッシュを含む世界の部品メーカーと技術提携し独自に部品を開発している。


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