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2015/07/17

<オピニオン>韓国の構造的消費不振を究明

  • 韓国の構造的消費不振を究明

               少子化で消費減少が懸念される

◆現代経済研が韓日比較報告書◆

 現代経済研究院は、報告書「構造的消費不振の韓日比較と示唆点」で、「日本が経験したように、韓国でも中長期的に消費が振るわず、経済の潜在的な成長力が継続的に悪化する恐れがある」と指摘した。韓国経済は近年、消費の経済成長寄与度が持続的に下落、日本が経験したように、構造的な消費不振による潜在成長率の低下が懸念されている。

 日本の場合、日本経済の成長率で消費(最終消費支出)が占める成長寄与度は、1960年代の6・6%から継続的に低下して2000年代には0%台に悪化したのに応じて、経済成長率も1%前後の低成長が続いていると分析した。韓国もここ数年、消費の成長寄与度が1%台後半と弱体化し、経済成長率も3%台後半に低下した。

 日本の場合、80年代の通貨価値の上昇に加え、海外への直接投資の増加などに伴う投資と雇用創出力の弱体化、所得増加の鈍化と経済主体心理の悪化で消費が低迷する中、人口構造が悪化し、構造的消費不振に伴う低成長が続いており、韓国も日本と同様な現象が生じている。

 日本は70年代初頭から急増し始めた海外直接投資が85年のプラザ合意を契機に加速、産業の空洞化が進んだ。通貨価値が上昇し、プラザ合意以前の71~85年まで年平均31・8%と急速に増加していた海外直接投資がバブル絶頂期である86~89年には年平均67・5%に増加するなど、投資の海外流出現象が加速した。

 韓国の場合、世界的な金融危機以降、ウォンの対ドル為替レートが11年比で14年に4・6%の上昇にとどまったが、実質実効為替レートは、同期間に約16・4%上昇するなど、ウォン高が続いた。海外への直接投資は、80年代半ばまでの累積で約35億㌦に過ぎなかったが、最近では年平均360億㌦以上のレベルに達している。

 投資の海外流出加速で国内投資が減少し、長期雇用不振現象を誘発した。日本の民間設備投資は、70年代後半の金利引き下げで91年まで年平均8・4%増加したが、後にマイナス傾向に転換し、長期不振が続いた。民間住宅投資も80年代半ば以降、金利引き下げで回復したが、その後のバブル崩壊で長期沈滞が続いた。これにより、日本の雇用環境が大きく悪化、70年代に1・7%台に過ぎなかった日本の失業率が最近までに4%半ばまで持続的に上昇した。

 韓国も12年から設備投資と建設投資の増加が年平均それぞれ1・7 %、0・9%に過ぎなく、経済成長寄与度は共に0・1%にとどまる。このような状況が続く場合、最近3%台前半にとどまっている失業率が持続して上昇する恐れがある。


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