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2018/02/02

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第28回 ダボス会議の勝者は米仏の大統領?                                                      ニッセイ基礎研究所 金 明中 准主任研究員

  • ニッセイ基礎研究所 金 明中 准主任研究員

    キム・ミョンジュン 1970年仁川生まれ。韓神大学校日本学科卒。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て現在、ニッセイ基礎研究所准主任研究員。

◆文在寅大統領のトップセールスに期待◆

 1月23日にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」が4日間の日程を終えて26日に閉幕した。今回のテーマは「分断された世界における未来の創造」で、トランプ米大統領、マクロン仏大統領、メルケル独首相、メイ英首相等100カ国以上から政財界のリーダー3000人超が参加し活発な議論が行われた。主要7カ国(G7)の中では日本の安倍首相だけが国会対応を理由に参加を見送った。韓国の文在寅大統領が参加しなかったことももったいない。就任後初めてのダボス会議であり、2月の平昌冬季五輪を目前に控えていることを考えると、その注目度は高かっただろう。トランプ大統領を含めた各国の指導者らがダボス会議で情報を発信しながらトップセールスを行い、ある程度の成果を上げていることを考えると、せっかくのチャンスを逃してしまったと言えるのではないか。

 今回のダボス会議を最も効率よく活用したのはマクロン仏大統領とトランプ米大統領だろう。まず、マクロン大統領は、ダボス会議の前夜である1月22日にダボス会議へ向かうフェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)やグーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)等、企業幹部約140人をベルサイユ宮殿に招き、「Choose France(フランスを選ぼう)」というイベントを催した。このイベントでマクロン大統領は自動車製造業やハイテク業界におけるいくつかの投資プロジェクトを発表し、フランスへの投資、そして雇用の創出を呼びかけた。スイスに隣接しているという地理的利点を最大限活用しており、その成果はすぐに表れた。既にパリに人工知能(AI)研究所を開設しているフェイスブックは同日、研究所の人員を22年までに100人以上に増員するとともに、1000万ユーロの投資を約束した。また、グーグルもフランスにAI研究所を開設すると発表した。さらに、トヨタ自動車はフランス北部の工場に3億ユーロを新たに投資するとともに、700人分の正規雇用を増やす計画を明らかにした。グローバル企業の相次ぐ投資発表はフランス経済に大きなプラス要因になることは確かである。

 そして、今回の会議で最も注目を集めたトランプ大統領は最終日に行われた演説で、今までの挑発的な排外主義を封印し、「米国ファースト(米国第一主義)」は「米国の孤立」を意味しないと述べながら、米国が成長すれば、世界も成長すると自由貿易を支持する立場を見せた。また、株価の上昇や雇用拡大など米経済の強さや法人税の引き下げなどをアピールしながら米への投資を各国の政府関係者や投資家らに呼び掛けた。

 経済のグローバル化が進んでいる中で、外国企業の投資は経済成長に欠かせないものになっている。外国企業の投資規模は外国人直接投資(FDI)から分かる。16年時点での世界最大の直接投資受け入れ国は米国で、その額は3911億㌦に達している。トランプ大統領の保護主義政策やダボス会議にてのトップセールスにより、今後米国への直接投資金額はさらに増加する可能性が高い。米国に次いで直接投資金額が多い国は、英国(2538億㌦)、中国(1337億㌦)、香港(1081億㌦)、オランダ(920億㌦)、シンガポール(616億㌦)の順であった。一方、韓国への直接投資金額は108億㌦にすぎない。

 今後、外国人の直接投資を増やすためには規制緩和や税制改善等が必要であり、世界各国はそのための対策に取り組んでいる。例えば、米国では昨年12月20日に約30年ぶりに税制を大幅改正する法案が議会で可決された。改正法案のポイントはトランプ減税といわれる大減税で、一部の地域を除いた個人所得税の最高税率は39・6%から37%に調整された。さらに、18年からは連邦法人税率も既存の35%から21%へと大幅に引き下げられることとなった。減税規模は18年から10年間で総額1兆5000億㌦に達すると言われている。

 日本でも現在、


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