◆現代経済研が報告書、2018年韓国経済修正展望を発表◆
現代経済研究院は報告書「2018年韓国経済修正展望」を発表し、今年の韓国経済の成長率見通しを従来の予測値(3月)の2・8%とした。同研究院の見通しは、政府、韓国銀行、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)の見通し(以上すべて3・0%)、国策研究機関である韓国開発研究院(2・9%)よりも低く、韓国金融研究院、LG経済研究院、韓国経済研究院(以上すべて2・8%)と同水準である。
今回の報告書では、最近の景気動向指数と景気先行指数が1年余りの間に下落する点、工業生産が在庫投資と既存の建設投資量に依存して脆弱に進む点、雇用が低迷している点などを考慮して、現在の景気が「後退」から「後退局面にある」と評価した。また、企業心理が悪化している点も今後の景気沈滞が懸念される要因として挙げている。
対外景気下降リスクの兆しとして、欧州の政情不安と景気萎縮の可能性があると見込む。また、米国の基準金利引き上げ速度が加速化する場合、外国為替の健全性が脆弱な新興国を中心に外国為替危機の可能性が漸増されるなど、グローバルリスクが考えられる。
内需景気の下方リスク拡大により、建設および設備投資は沈滞が予想される。雇用萎縮局面は簡単に解消する兆しが見られない。韓半島リスクが緩和される一方、為替レートは輸出企業に不利となる可能性がさらに高くなる。景気後押しがない状況で原油価格の上昇に同調する物価上昇圧力は家計購買力をより一層萎縮させる可能性がある。韓半島の地政学的リスクの緩和では、不確実性を伴う半面、リスク緩和における展開過程は、経済の心理改善に肯定的な要因として作用する素地がある。
18年の韓国経済成長率展望値としては、既存(今年3月当時見通し)の2・8%を再び提示する。理由は対外、対内の景気下降リスクが感知されるが、韓半島の地政学的リスクが緩和され、南北経済協力に対する期待感が大きくなっており、経済心理が改善されることが実物経済に肯定的な影響を及ぼしかねないためだ。ただし、2・8%は12年の欧州財政危機以降、最も低水準の成長率であり、景気下降リスクに対応する積極的な対策が伴わなければ達成が難しい場合もある。
年間では、前年同期比の成長率は上半期3・1%、下半期2・5%と予測する。また、今年の民間消費増加率は17年より小幅拡大する見通しだ。地政学的リスク緩和、家計の実質所得増加、観光客流入拡大の可能性などが民間消費拡大要因として作用するだろう。しかし製造業の構造調整や建設業界の状況鈍化に伴う雇用市場の条件悪化、借金の元利金償還負担増加など、消費改善を制約する要因は今なお残る。今年の建設投資増加率は0%台となる見込みだ。建設受注など建設景気先行指標の不振が持続しており、不動産市場規制強化などの影響により、建物建設部門を中心に早期鈍化する見込みだ。今年の設備投資増加率も鈍化する見通しだ。先行指標が下落し、設備投資の条件改善傾向が全体的に弱まり、特に半導体関連投資の増加傾向が弱まって下半期には増加傾向はさらに低下すると予想される。
今年の輸出は増加傾向は維持される見込みだが、主要国の保護貿易主義の拡散、一部新興国の景気萎縮などの影響で増加幅は多少鈍化するだろう。輸入は原材料価格上昇の影響により、輸出より高い増加率を記録するだろう。輸出を上回る輸入増加率で貿易収支黒字の規模は17年より減る見込みだ。経常収支もやはり、海外旅行の増加傾向の持続と海外配当増加などにより、黒字規模が減る予測だ。
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