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2019/03/01

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第41回 5大財閥グループの土地資産が急増                                                     ニッセイ基礎研究所 金 明中 准主任研究員

  • ニッセイ基礎研究所 金 明中 准主任研究員

    キム・ミョンジュン 1970年仁川生まれ。韓神大学校日本学科卒。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て現在、ニッセイ基礎研究所准主任研究員。

  • 曲がり角の韓国経済 第41回 5大財閥グループの土地資産が急増

◆持てる者と持たざる者の格差縮小に慎重な対策を◆

 経済正義実践市民連合(以下、経実連)は、2月26日に行われた記者会見で、サムスン、現代自動車、SK、LG、ロッテの、いわゆる5大財閥グループ(以下5大グループ)が保有している土地の帳簿価格を発表した。経実連が同日発表した帳簿価格は、金融監督院の「電子公示システム」が公示した「年度別事業報告書」と「監査報告書」、そして公正取引委員会の「公示対象企業集団」の発表資料に基づいて分析されたものである。

 記者会見で発表された資料によると、5大グループが保有している土地の帳簿価格は2007年の23・9兆㌆から2017年には67・5兆㌆に43・6兆㌆も増加していることが明らかになった。10年間の増加額を財閥グループ別に見ると、現在自動車が19・4兆㌆で最も多く、次いでサムスン(8・4兆㌆)、SK(7・1兆㌆)、LG(4・8兆㌆)、ロッテ(4・0兆㌆)の順であった。

 経実連は、「5大グループが不動産投機による不労所得を狙って業務及び事業向けの土地ではない、非業務用土地を保有しているにも関わらず、韓国政府がこれを放置した結果、不動産バブルが大きくなりマンションの価格と賃料の上昇につながっている。過去90年代の盧泰愚元大統領、金泳三元大統領時代には非業務用の不動産に対して高い税率を適用する措置と、非業務用土地などの不動産を強制的に売却させる措置等を行うことにより財閥を中心とした企業の不動産投機を防いだものの、2000年と2007年に不動産関連規制を緩和したことにより、過去の規制は効力を失うことになった」と説明した。

 また、「韓国社会の不平等や格差を減らすためには、公共財である土地を利潤追求の手段として利用する行為を防ぎ、不労所得を返還させる制度が必要である」と主張した。

 5大グループが保有している土地資産の帳簿価格は10年間に2・8倍も上昇し、同期間における売上高の増加倍数2・1倍を上回っている。物価上昇等を反映した公示地価と実際の取引価格が帳簿価格を大きく上回っていることを考慮すると、土地の取得により企業が得られる利益はさらに大きいと考えられる。

 経実連は、「財閥企業の土地取得とそれによる不労所得の発生を最大限抑制するためには、会計基準を変更し、すべての外部監査法の対象企業に適用する必要がある」と主張した。

 また、優先的に「公示対象企業集団(2018年現在、資産総額が5兆㌆以上である60大企業=所属会社2083社)が保有している不動産(土地と建物)の住所、面積、帳簿価額、公示地価などを義務的に公示させ、株主や投資家の国民が財閥企業の土地と不動産の保有実態を把握できるシステムを構築しなければならない」と提案した。

 一方、2月21日に統計庁が発表した「2018年第4四半期家計動向調査」によると、所得下位20%世帯(全世帯を所得金額により5等分した際に所得が最も低い第1階級世帯)の1カ月の名目所得は123万8200㌆で1年前と比べて17・7%も減少したことが明らかになった。所得下位20%世帯の所得が大きく減少したのは勤労所得と事業所得が減少したのが最も大きな理由である。実際に、所得下位20%世帯の勤労所得は1年前に比べて36・8%、そして事業所得は8・6%も減少しており、世帯の就業者数も1年前の0・81人から0・64人に21%も減った。所得下位20%世帯のうち、世帯主が無職である世帯は前年同期の43・6%より12・1㌽も高い55・7%まで上昇している。

 所得下位20%世帯とは対照的に、


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