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2020/09/04

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第57回 政府の医師増員計画を巡る対立が激化                                                      ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第57回 政府の医師増員計画を巡る対立が激化                                                      ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

    1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所客員研究員、日本女子大学人間社会学部・大学院人間社会研究科非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆医療崩壊や国民の不安を最小化する対策が急務◆

 韓国政府が医科大学の定員拡大や公共医科大学の設立を発表してから、大韓専攻医(日本の研修医)協議会(以下、専攻医協議会)を中心とした医師との対立が続いている。教育部の兪銀惠長官は7月23日に開かれた「第10回社会関係長官会議」で、2006年以降3058人で凍結されていた医科大学の定員を、22年から毎年400人ずつ、つまり10年間で合計4000人増やすことで7000人近くまで増やす計画を明らかにした。韓国政府は医科大学の定員を増やす理由として、胸部外科、産婦人科、重症外傷外科等の生命と直結している分野の専門医を志願する若者が少ないことや、医療供給の地域格差が発生していることを挙げている。そこで、公共医科大学を新設すると共に医科大学の定員を増やし、若者が忌避する診療科の専門医を確保し、医療供給の地域格差を解消しようとしている。


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