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2020/05/29

<オピニオン>韓国経済講座 第228回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

  • 韓国経済講座 第228回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

    かさい・のぶゆき 1948年、神奈川県横浜生まれ。国際開発センター研究員、ソウル大学経済研究所客員教授、秀明大学教授。アジア経済文化研究所筆頭理事・首席研究員、育秀国際語学院学院長。

◆韓国は早い、日本は遅い◆

 誰もが感ずる安倍政権と文在寅政権のコロナ対応だ。例えば、韓国では2月26日、議会(国会)で感染症に対する予防法、検疫法、医療法の3件の改正案、いわゆる「コロナ3法」が成立したが、日本は民主党政権時に制定した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を「一部を改正する法律」として3月13 日に可決・成立し、14 日より施行した。もちろんこの日にちだけで比較するのは軽々に過ぎるが、韓国は2015年5月に中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大から186人が感染し、そのうち38人が亡くなった経験や14年4月に多くの若者が犠牲になったセウォル号沈没事故(乗員・乗客の死者299人、行方不明者5人、捜索作業員の死者8人)に対する苦い経験で、政府の危機管理能力の重要さを学んでおり、16年施行の「感染病検査緊急導入制度」によって民間セクターで感染症の検査ができたことなど初動における対応の素早さが際立ったと言える。


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