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2020/09/25

<オピニオン>韓国経済講座 第231回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

  • 韓国経済講座 第231回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

    かさい・のぶゆき 1948年、神奈川県横浜生まれ。国際開発センター研究員、ソウル大学経済研究所客員教授、秀明大学教授。アジア経済文化研究所筆頭理事・首席研究員、育秀国際語学院学院長。

  • 韓国経済講座 第231回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

◆国民の力を取り戻せるか◆

 「民間消費の回復速度も遅くなるだろう」韓国銀行が9月10日に国会に提出した「通貨信用政策報告書」の見方だ。2020年の実質GDP成長率見通しを前年比マイナス1・3%と、前回5月見通しのマイナス0・2%から1・1㌽引き下げ、また、21年の成長率は2・8%と、前回予想(3・1%)から0・3㌽引き下げている。つまり、韓国経済は成長力が後退して、その回復にも時間がかかるというのが政府に提出した「報告書」の内容である。

 こうした韓国銀行の見方が悲観的であるかどうかは見解が分かれるところであるが、民間消費の回復に時間がかかるというのはその通りだと思われる。それは、民間消費低迷が新型コロナウイルスの蔓延によって消費活動が萎縮した様に見えるが、それだけではなく、ここに至るまでにすでに民間消費力の弱体化が進んでいたからである。


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