◆利上げの背景にある家計債務の増加◆
今年8月26日、韓国銀行が政策金利を0・5%から0・75%へ引き上げた。韓国銀行は米国のテーパリング(量的緩和の縮小)に合わせて利上げする方針を示していたが、その開始前での利上げとなった。この背景に何があるのだろうか。
韓国では新型コロナウイルス感染拡大の影響で景気が急速に悪化し、昨年の実質GDP成長率はマイナス0・9%になった。数次にわたる補正予算の編成と利下げ(20年3月、5月)効果に加えて、輸出の回復が進んだため、昨年半ば以降景気は上向き、今年は4%程度の成長が見込まれている。景気が回復基調にあるとはいえ、新型コロナウイルス感染の影響が依然として残り、半導体不足や中国経済の減速懸念(恒大集団の債務問題や電力不足による)など、先行き不安材料が多く存在するなかでの利上げであった。
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