◆経済政策回顧と次期政権の課題◆
韓国では来年3月の大統領選挙に向けた動きが始まった。以下では、文在寅政権の経済政策を振り返りながら、次期政権の経済課題を探ることにする。文政権発足後から今日までの動きをみると、次のことが指摘できる。第1に、政策の目玉といえる所得主導成長が頓挫したことである。所得主導成長は家計の所得を増やす一方、住宅や養育などにかかる生活費の負担を軽減して、可処分所得を増やすことにより成長を図る戦略である。政権発足後、所得主導成長に関連した施策を相次いで実施したが、輸出の減速に伴い景気が悪化したうえ、最低賃金大幅引き上げの影響で飲食業界を中心に人減らしの動きが広がったため、政策の見直しを余儀なくされた。
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