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2021/12/03

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第72回  コロナ新規感染者数が増加し続ける韓国                                                       ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第72回  コロナ新規感染者数が増加し続ける韓国                                                        ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員、日本女子大学、横浜市立大学、専修大学非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析

  • 曲がり角の韓国経済 第72回  コロナ新規感染者数が増加し続ける韓国                                                        ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

◆早すぎた規制緩和やワクチンの種類が影響か◆

 日本では新型コロナウイルス感染症の1日あたりの新規感染者数(以下、新規感染者数)が二桁まで減少していることとは対照的に、韓国では新規感染者数が爆発的に増加している。11月24日の新規感染者数は過去最大の4115人を記録した。韓国で新規感染者数が4000人を超えたのは初めてのことだ。

韓国の11月23日現在の新型コロナワクチン接種率は1回目が82・4%、2回目が79・1%で、日本の78・6%と76・4%を上回っている。さらに、3回目の接種(ブースター接種)率も4・1%に達する。

 ワクチンの接種率は日本とほぼ変わらないのに、なぜ韓国では新規感染者数が増え続けているのだろうか。まず、最初の原因として考えられるのが接種された新型コロナワクチンの種類だ。新型コロナワクチンの確保に出遅れた韓国政府は、今年の2月3日にファイザー社製のワクチンを特例承認(正式に承認されるまでには医療従事者に限って接種が行われた。正式承認は3月5日)し、その後2月10日にはアストラゼネカ社製のワクチンを、続いて4月7日にはヤンセンファーマ社製のワクチンを、そして5月21日にはモデルナ社製のワクチンを次々と承認した。その結果、2月26日から始まった新型コロナワクチンの接種は高齢者を対象にアストラゼネカ社製のワクチンが接種されることになった。


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