イランを取り巻く国際関係に地殻変動が起きている。米国は、トランプ前政権がイラン核合意から離脱したことにより、イランとの関係が悪化している。一方、中国とロシアは、米国・イラン間の対立の間隙を突くが如く、中国はイランと首脳会談を開催するなど急接近している。また、ロシアは、イランを擁護する姿勢を強めている。
米国バイデン政権のイラン外交戦略は、トランプ前政権が2018年5月にイラン核合意から離脱する一方、イランが高濃縮ウラン製造などの合意から逸脱したことから、イランが順守すれば、イラン核合意に復帰するとしている。片や、イラン・ロウハニ大統領は2021年1月バイデン大統領に対してイラン核合意に復帰し、対イラン制裁を解除するよう求めた。米国とイランは、関係改善の兆しが出てきたものの、ロウハニ大統領が「ボールは米国の側にある」と述べる一方、米国・プリケン国務長官が「イラン核合意への復帰の是非を直ちに決めることはない」と発言しており、イラン核合意への復帰は困難と予想されている。
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