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2021/03/12

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第94回 新しい地政学の時代における日本の役割④                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第94回 新しい地政学の時代における日本の役割④                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 多摩大学経営情報学部及び大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授、アクティブ・ラーニングセンター長。1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て現職。

 前号に引き続きイランを取り巻く国際関係を分析し、国際政治の根底でどのような地殻変動が起きているのかを考察する。米国トランプ前政権が2018年5月にイラン核合意から離脱して以降、両国が執拗に挑発しており、相次いで紛争や武力衝突が起き、開戦の憶測まで飛び交っている。

 例えば19年6月、米国がホルムズ海峡で無人偵察機「グローバルホーク(世界一の超秘密スパイ技術装備)」を使って空中偵察したことから、イランがこの「グローバルホーク」を撃墜した。撃墜に使われた地対空ミサイルは、ロシアからイランに渡った可能性が高い。

 また、19年9月イランと敵対し、米国と友好関係にあるサウジアラビアで、国営石油企業サウジアラムコの石油施設が、イランによってドローン攻撃された。サウジアラビアの石油生産量は世界の12・7%以上を占めているため、この攻撃によって生産量が半減し、世界エネルギー市場に大混乱をもたらした。さらに、


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