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2021/05/14

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第96回 新たなステージを迎える韓日ビジネス②                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第96回 新たなステージを迎える韓日ビジネス②                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 多摩大学経営情報学部及び大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授、アクティブ・ラーニングセンター長。1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て現職。

 日本では、韓流マーケティングが浸透し、今や「新韓流ブーム」、「第6次韓流ブーム」に沸いている。韓流マーケティングとは、まずは映画・ドラマ・音楽・オンラインゲームなどのソフトを売って韓流ファンを作り、その後スマートフォンや家電などのハードを売るというものである。サムスン経済研究所は、これを4段階に分けて説明している。第1段階は、ドラマや音楽に触れてスターを好きになる。第2段階は、DVDや動画配信などを購入する。第3段階は、家電や生活用品など韓国製品を選び始める。第4段階は、韓国そのもののファンになるという。韓流マーケティングは、アジア、とりわけ台湾・ベトナム・タイ・中国で第3段階に止まらず、第4段階にまで達している。

 一方、日本では、第3段階の壁をなかなか破れなかったが、今回の「新韓流ブーム」によってようやく3段階の風穴が空いたと言える。日本市場では、サムスンがスマホ「GALAXY(NTTドコモとau)」、LGが液晶テレビや生活家電、CJが韓国食品、ネイバーが「LINE」など日本市場に深く切り込み始めている。今や、日本では、韓国ドラマや映画が人気を博して40~50代の女性から支持を得た「韓流ブーム」から、音楽・オンラインゲーム・ファッション・コスメの分野や10~30代の男性・女性のファン層が加わった「新韓流ブーム」に移行した。


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