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2021/03/26

<オピニオン>韓国経済講座 第236回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

  • 韓国経済講座 第236回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

    かさい・のぶゆき 1948年、神奈川県横浜生まれ。国際開発センター研究員、ソウル大学経済研究所客員教授、秀明大学教授。アジア経済文化研究所筆頭理事・首席研究員、育秀国際語学院学院長

  • 韓国経済講座 第236回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

◆途上国へ逆戻り?◆

 米国の経済学者アーサー・オーカンが考案した経済悲惨指数(MiseryIndex)が約3年6カ月ぶりに最大水準に急上昇した。この指数は、消費者物価上昇率と失業率を足した指標で、国民が体感する経済生活の困難を計量化したもの。本年1月、2月の「経済悲惨指数」は、それぞれ6・3、6・0を記録した。この値は過去最大の水準を記録した2017年8月以来の数値ということだ。昨年は低物価が続いたことで経済悲惨指数も4・0前後で推移していたことを考慮すると急上昇だ。これは昨年末から今年にかけて失業率が上がり2020年12月4・7%、21年1月5・4%、2月4・0%と高水準を示した。しかし、2月には改善したものの、消費者物価上昇率が1月0・9%から1・1%に上昇したことで高い数値となった(執筆時点で得られる数値で計算すると2月の経済悲惨指数は5・1)。

 オーカンが注目した物価上昇率と失業率に当てはめれば、職がなくなり生活費の工面がギリギリな時に生活物資の値段が上がれば消費が低下し、最低生活水準線に止まらざるを得ない国民が堆積することを意味し、まさに経済悲惨である。


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