◆金融政策の違いから見た日韓経済◆
エネルギー・原材料価格の上昇や米国の大幅利上げ、ゼロコロナ対策による中国経済の減速など、韓国と日本を取り巻く経済環境は厳しさを増している。韓国ではインフレの抑制を目的に昨年から利上げが実施されているのに対して、日本では景気回復の遅れを理由に、従来の大幅な金融緩和が続けられている。以下では、金融政策の観点から両国経済の現状をみることにしたい。
韓国では4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比4・8%と、この13年半の間で最も高い上昇率になった。エネルギー・原材料価格の上昇に、ウォン安による輸入インフレが加わったことによる。韓国銀行は昨年8月からすでに4回の利上げを実施した。膨れ上がった家計債務の抑制とインフレ抑制のためである。インフレへの警戒感を強める米国で、年内に数回の利上げが見込まれるため、金利差拡大による為替レートの急落を防ぐ目的から、韓国銀行は今後追加利上げを実施することになろう。
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