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2022/05/20

<オピニオン>転換期の韓国経済 第147回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第147回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  •               転換期の韓国経済 第147回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師               

◆金融政策の違いから見た日韓経済◆

 エネルギー・原材料価格の上昇や米国の大幅利上げ、ゼロコロナ対策による中国経済の減速など、韓国と日本を取り巻く経済環境は厳しさを増している。韓国ではインフレの抑制を目的に昨年から利上げが実施されているのに対して、日本では景気回復の遅れを理由に、従来の大幅な金融緩和が続けられている。以下では、金融政策の観点から両国経済の現状をみることにしたい。

 韓国では4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比4・8%と、この13年半の間で最も高い上昇率になった。エネルギー・原材料価格の上昇に、ウォン安による輸入インフレが加わったことによる。韓国銀行は昨年8月からすでに4回の利上げを実施した。膨れ上がった家計債務の抑制とインフレ抑制のためである。インフレへの警戒感を強める米国で、年内に数回の利上げが見込まれるため、金利差拡大による為替レートの急落を防ぐ目的から、韓国銀行は今後追加利上げを実施することになろう。


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