ここから本文です

2022/08/19

<オピニオン>転換期の韓国経済 第150回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第150回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第150回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

◆韓国経済左右するインフレと中国減速◆

 韓国では尹錫悦大統領に対する支持率が6月中旬以降急落している。これには与党内の内紛や政府高官人事問題などのほかに、インフレと金利上昇に示される経済環境の悪化も影響しているといえよう。

 今年4~6月期の実質GDP成長率は前期比0・7%(速報値)と、1~3月期の0・6%を上回った。成長の牽引役は3・0%伸びた民間消費で、新型コロナウイルスに関する行動制限の緩和が背景にある。他方、設備投資は1・0%のマイナス、財・サービスの輸出は3・1%のマイナスであった。

 今後の経済を展望するうえで、インフレと輸出の動きに注意が必要である。韓国のCPI(消費者物価指数)上昇率(前年同月比)は6月に6・0%、7月に6・3%になった。エネルギー・原材料価格の上昇に起因した交通費や外食費の高騰が物価水準を押し上げた。インフレが加速したため、韓国銀行は7月に異例の0・5%の利上げ(昨年8月以降5度目)を実施した。


つづきは本紙へ


バックナンバー

<オピニオン>