◆韓国経済左右するインフレと中国減速◆
韓国では尹錫悦大統領に対する支持率が6月中旬以降急落している。これには与党内の内紛や政府高官人事問題などのほかに、インフレと金利上昇に示される経済環境の悪化も影響しているといえよう。
今年4~6月期の実質GDP成長率は前期比0・7%(速報値)と、1~3月期の0・6%を上回った。成長の牽引役は3・0%伸びた民間消費で、新型コロナウイルスに関する行動制限の緩和が背景にある。他方、設備投資は1・0%のマイナス、財・サービスの輸出は3・1%のマイナスであった。
今後の経済を展望するうえで、インフレと輸出の動きに注意が必要である。韓国のCPI(消費者物価指数)上昇率(前年同月比)は6月に6・0%、7月に6・3%になった。エネルギー・原材料価格の上昇に起因した交通費や外食費の高騰が物価水準を押し上げた。インフレが加速したため、韓国銀行は7月に異例の0・5%の利上げ(昨年8月以降5度目)を実施した。
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