◆米IRA対応、カナダが救世主となるか◆
韓国の輸出先をみると、地殻変動ともいえる動きが生じている。2000年代に入って進んだ中国シフトに代わり、10年代以降米国への再シフトが生じている(下図)。この背景には中国の成長減速もあるが、韓国企業による過度な中国依存の是正と米国での事業拡大がある。経済面で米国の重要性が再び高まるなかで、半導体やEV(電気自動車)分野では、バイデン政権がめざす中国に依存しない供給網構築への対応が課題になっている。EVに関しては、カナダが救世主になる可能性が出てきた。
今年8月16日にバイデン大統領が署名した「インフレ抑制法」(IRA)では、①北米での組み立て、②バッテリーの素材と部品の米国もしくは米国とのFTA締結国から一定以上の調達という条件(22年は①のみ)を満たしたEVが補助金(1台あたり最大7500㌦)の支給対象となった。
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