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2022/10/07

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第82回  尹政権の福祉政策拡大は支持率回復につながるか       ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第82回  尹政権の福祉政策拡大は支持率回復につながるか       ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆大統領は政治の理解とリスクの最小化を◆

 支持率低下に悩んでいる尹錫悦政権が労働市場改革に続いて福祉政策拡大に乗り出した。2022年8月30日に開かれた国務会議(日本の閣議に相当)では、新設される「親給与(韓国語の直訳は「父母給与」)」を含めた23年の政府予算案を確定した。国務会議の結果、日本の旧厚生省に当たる保健福祉部の23年予算は約109兆㌆(約10・9兆円)で22年の約97・5兆㌆より11・8%も増加した。

 「親給与」は、尹錫悦政権の110大国政課題の一つで、既存の「嬰児手当(1カ月30万㌆)」を拡大し、満0~1歳の子どもを養育する世帯に月35万~70万㌆が支給される(満0歳の子どもを養育する世帯には35万㌆、満1歳の子どもを養育する世帯には70万㌆を支給)。24年からは公約通り、満0歳の子どもを養育する世帯には100万㌆を、満1歳の子どもを養育する世帯には50万㌆を支給する予定である。


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