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2022/01/14

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第73回  新型コロナ感染拡大がもたらす世代間と宗教間の対立                                                       ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第73回  新型コロナ感染拡大がもたらす世代間と宗教間の対立                                                        ニッセイ基礎研究所 金 明中 主任研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員、日本女子大学、横浜市立大学、専修大学非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析

◆韓国社会分断の危機解決が急務◆

 韓国では、新型コロナウイルスの感染拡大と共に世代間と宗教間の対立が深刻化している。2021年12月15日の1日あたりの新規感染者数は7848人で過去最高を記録した。その後、防疫対策を強化すると共に3回目のワクチンの接種時期を2回目の接種から3カ月に短縮し、3回目のワクチン接種を積極的に実施したこと等により、新規感染者数は少し減少しているものの、未だに毎日3000人(1月11日0時基準)を超える新規感染者が発生している。

 韓国社会における世代区分は、大きく①ベビーブーム世代(1955年~63年生まれ)、②386世代(60年代生まれ)、③X世代(70年代生まれ)、④Y世代(80年~95年生まれ、ミレニアル世代ともいう)、⑤Z世代(96年~12年生まれ)に区分することができる。その中で世代間の対立は主に386世代とそれ以降に生まれた世代、そして若者世代や高齢者世代を中心に発生している。

 386世代とは、90年代に年齢が30代で、80年代に大学生活を送り民主化運動に関わった60年代に生まれた者を指しており(30台、80年代、60年代の386を取って386世代と称する)、現在はほぼ50代になったことで、最近では586世代とも呼ばれている。韓国社会の中心とも言える386世代は、政治や経済に与える影響力においてX世代やY世代を大きく上回っている。60年代生まれの386世代は、70年代末~80年代に大学に入学した。当時の高校卒業生の大学進学率は3割を少し上回っていたので、約7割が大学に進学する今とは大学生の存在感が大きく異なる。


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