◆韓日米台のチップ4同盟にメリットとリスク◆
世界の半導体市場は、PC・インターネット・スマホ・データセンターなどデジタル化の急速な進展により市場規模が50兆円とされており、2030年には2倍の100兆円規模を突破すると予測されている。また、半導体の年間出荷台数が1兆3000億台に上り、これは自動車1億台やスマホ15億台と比べても桁違いである。
韓国は22年6月「新政府経済政策方向」を発表し、国家の経済安全保障上、重要な技術・産業を「国家戦略技術」、「国家先端戦略産業」として重点的に研究開発投資や育成を図るとした。尹錫悦大統領は、国務会議で「半導体は、我が国の安全保障に関わる資産かつ核心産業であり、全体輸出額の20%を占める核心分野である」と述べ、半導体産業・サプライチェーン・経済安保の重要性を強調した。韓国の経済政策は、半導体重視を明確化しており、「半導体超強大国達成戦略」を打ち出した。主な内容は、①半導体産業への支援を強化し、サムスンやSKなどによる設備・R&Dへの投資を26年までに36兆円以上を目標とする②半導体産業団地の工場インフラ整備のための規制緩和や設備・R&D投資への税制支援を拡大する③半導体人材の育成と産学官の連携を強化する④システム半導体市場で世界シェアを3%から30年10%に拡大する⑤3大次世代システム半導体(パワー半導体:5年間473億円、車載半導体:同525億円・AI半導体:同1314億円)を集中支援する⑥素材・部品・製造装置のクラスターを構築し、30年自立化率を30%から50%に引き上げるなどである。
つづきは本紙へ