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2023/03/17

<オピニオン>転換期の韓国経済 第157回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第157回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第157回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

◆動き始めた未来志向の日韓関係◆

 韓国政府が6日に発表した元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策を日本政府が評価したことにより、日韓関係が改善に向かい始めた。日本政府が評価したのは、1965年の「対日請求権協力協定」で解決済みとする政府の見解と整合的であったためである。

 課題は残るものの、韓国政府が大局的な観点に基づき、関係改善につながる解決策を発表したことを大いに評価したい。
尹政権がこの時期に関係改善に乗り出したのには、いくつかの理由が考えられる。

 第1に、地政学リスクが高まるなかで、韓国の安全保障体制を堅固にすることである。北朝鮮の核開発やロシアのウクライナ侵攻、中国の力による現状変更など、韓国を取り巻く国際環境が不安さを増す状況下、日韓米の関係を強化して、安全保障体制を堅固なものにする必要があった。


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