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2023/06/23

<オピニオン>転換期の韓国経済 第160回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第160回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

◆不安定さを増す中国経済◆

 韓国経済を取り巻く環境が厳しさを増している。IMFがこの4月に発表した「世界経済見通し」によれば、インフレと利上げの影響などで、今年の世界経済の成長率は昨年の3・4%を下回る2・8%となる。米国経済は2・1%から1・6%へ低下する。

 中国ではゼロコロナ対策の影響により2022年は3・0%へ低下したが、今年は5・2%へ回復する。ただし、24年は4・5%と、勢いを欠く見通しで(下図)、中国経済の先行きに十分な注意が必要といえる。

 世界経済の減速に伴い、韓国の今年1月から5月までの輸出額は前年同期比でマイナス13・6%であった。中国向けは半導体やディスプレーなどの落ち込みが響き、マイナス27・4%を記録した。2000年代に中国で高成長が続いた時期には、韓国経済はそのプラス効果を受けた。中国向けに中間財の輸出が増加したほか、資源取引の増加に伴い海運・造船需要、また成長が加速した資源国向けに耐久消費財や建設機械などの輸出が伸びた。しかし、10年代に入っての中国の成長率低下や国産化の進展などにより、中国向け輸出の増勢は著しく低下することになった。


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