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2023/10/06

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第94回  韓国の失業率が統計上において低い主な理由   ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第94回  韓国の失業率が統計上において低い主な理由   ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆雇用機会創出で不安定労働の改善を◆

新型コロナウイルス感染症が収束を迎えている中で、OECD加盟国における平均失業率は感染が拡大していた2020年の7・2%から22年には5・0%まで低下した。一方、20年と22年における韓国の失業率はそれぞれ3・9%と2・9%でOECD加盟国における平均失業率を大きく下回る。

韓国における失業率が最も高かった時期は、アジア経済危機以後の約2年間で、1998年と99年における失業率はそれぞれ7・0%と6・6%であった。と言っても20年のOECD加盟国の平均失業率よりも低い水準である。さらに、就職が難しいと言われている15~24歳の失業率も22年現在7・0%でOECD加盟国の平均失業率10・9%を下回っている(韓国の15~24歳の失業率は23年8月には4・4%まで低下した。韓国統計庁の「経済活動人口調査」による韓国の15~29歳の失業率は22年時点で6・4%)。


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