◆若者の意識変化に即した対策を◆
韓国の2022年の合計特殊出生率(以下、出生率)は0・72(暫定値)となり、21年の0・81を下回り15年の1・24を記録して以降、8年連続で過去最低を更新した。日本の1・26(22年)やOECD平均1・58(21年)を大きく下回る数値だ。23年に生まれた子どもの数は23万人で、22年より1万9200人減少し、歴代最少を記録した。死亡数は35万2700人で前年比2万239人減少したものの、出生数と死亡数の差である「自然増減」は12万2700人減で、4年連続で人口が減少した。
15年以降出生率が低下し続けている理由としては、15年以降に出産をした女性の多くが1980年代中盤以降に産まれた女性が多いことや、韓国の経済成長率が12年以降大きく低下したことが挙げられる。つまり、韓国政府が実施してきた産児制限政策が80年代からそれまでの「二人を産んでよく育てよう」から「一人だけ産んでよく育てよう」に代わり、産まれる子どもの数が減り始めたことが15年以降の出生率低下に影響を与えたと考えられる。また、2000年代に平均5%であった経済成長率が12年に2%台に低下してから回復されず、それ以降も2%前後という今まで韓国経済が経験していなかった低成長が続いたことも若者の失業率や非正規労働者の割合を引き上げたことにもつながり、出生率にマイナスの影響を与えただろう。
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