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2024/07/05

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第103回  韓国が日本の高年齢者雇用政策から学ぶ点①  ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第103回  韓国が日本の高年齢者雇用政策から学ぶ点①  ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆韓国社会では雇用延長が主要関心事◆

 今年から韓国政府は、2020年に施行された継続雇用制度の支援期間を従来の2年から3年に延長するなど、高年齢者がより長く労働市場にとどまるための対策を強化し始めた。一方、韓国労働組合総連合会は23年11月に経済社会労働委員会に復帰し、定年延長を最優先の議論課題として提示した。韓国社会にとって、定年延長を含む高年齢者の雇用延長が主要な関心事であることが分かる。

 一方、韓国より先に少子高齢化社会に突入した日本の場合、65歳までの雇用延長を義務化した後、最近では70歳までの雇用延長を努力義務化している。韓国が日本の高年齢者雇用政策から学ぶ点は何があるだろうか。

 日本政府は、急速な少子高齢化の進行に伴う労働力人口の減少に対応し、公的年金の財政を安定化することなどを目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の一部を改正し、雇用延長を段階的に実施してきた。04年の「高年齢者雇用安定法」(06年4月施行)では、定年が65歳未満の企業に対して、①65歳までの定年延長、②定年廃止、③定年後も労働者を雇用する継続雇用制度の導入のうち、いずれかを選択して実施することを義務化した。ただし、企業が継続雇用制度を選択して実施する場合には、継続雇用制度の対象者を選定する基準を労使協定で設定できるようにしたため、希望する全ての労働者が継続して勤務することはできなかった。また、労働者が実際には継続雇用制度を希望しているにもかかわらず、企業が設定した基準に自分は該当しないと自ら判断し、継続雇用を希望しない事例も頻繁に発生した。


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