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2024/08/02

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第104回  韓国が日本の高年齢者雇用政策から学ぶ点②  ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第104回  韓国が日本の高年齢者雇用政策から学ぶ点②  ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆労働改革や定年延長進める韓国の参考に◆

 日本政府が継続的に高年齢者雇用促進政策を推進した結果、労働市場に参加する高年齢者は年々増加している。60~64歳と65~69歳の高年齢者の就業率は、「改正高年齢者雇用安定法」施行前の2005年の52・0%(男性65・9%、女性39・0%)と33・8%(男性45・0%、女性23・7%)から、22年には73・0%(男性83・9%、女性62・7%)と50・8%(男性61・0%、女性41・3%)と大幅に上昇した。
では、21年4月から「改正高年齢者雇用安定法」が施行されたことにより、今後高年齢者はどういった形で働くことになるだろうか。改正高年齢者雇用安定法により、希望者が65歳まで働けるようになった13年から現在にいたるまでの企業の対応を参考にすると、今後も多くの高年齢者は「70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)」により働く可能性が高いと考えられる。実際22年6月1日現在、高年齢者の雇用確保措置を実施した企業のうち、継続雇用制度を導入した企業は70・6%で、定年延長(25・5%)や定年制廃止(3・9%)を選択した企業よりもはるかに高い割合を示している。さらに、多くの企業は継続雇用制度における再雇用制度と勤務延長制度のうち、人件費負担が少ない再雇用制度を導入しているので、しばらくの間は再雇用制度により雇用を延長すると考えられる。


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