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2024/11/01

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第107回  日本のアルムナイ採用が示唆するところ   ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第107回  日本のアルムナイ採用が示唆するところ   ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆少子高齢化が深刻な韓国は日本の事例参考に◆

 日本企業の間で最近、「アルムナイ(Alumni)採用」が増加している。アルムナイは卒業生・同窓生を意味し、人事領域では定年退職者以外の離職者(中途退職者)やOB・OGの呼称としても使われている。また、アルムナイネットワークという用語も使用されており、これは以前に同じ企業で働いた経験のある人たちで形成されたネットワークを意味する。

 アルムナイネットワークが注目されている背景には、企業にとって人材確保が課題として浮上していることが挙げられる。総務省の「人口統計」によると、2023年8月1日時点の生産年齢人口(15~64歳)は7397・2万人で前年同月比29・1万人減少するなど、年々減少している傾向にある。また、職務型雇用を導入する企業が増えることにより、終身雇用を前提とした日本型雇用システムも変わりつつある。さらに、日本政府が円滑な労働移動を奨励しているので、今後、労働市場の柔軟化はさらに加速すると予想されている。


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