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2024/06/14

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第140回 第9回韓日中首脳会談と韓半島  多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第140回 第9回韓日中首脳会談と韓半島  多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授。業績:書籍9冊、論文・学会発表13件、三井物産向けレポート297本、論文指導数430本、論考・メディア200件、講演72件、テレビ・ラジオ出演多数。

◆韓日中各国が立場強調するほど温度差拡大◆

 「第9回韓日中首脳会談」は、2024年5月ソウルで4年半ぶりに開催され、岸田文雄首相、李強首相、尹錫悦大統領が出席した。「第9回韓日中首脳会談」では、韓日中3カ国協力25周年を祝し、今後の3カ国協力と地域・国際情勢について意見交換が行われ、「韓日中共同宣言」が採択された。韓日中首脳会談は、1999年「ASEAN+3首脳会議」時に小渕首相(当時)が提案した3カ国の首脳朝食会が契機となり、08年12月(福岡)に初めて単独で開催(第1回同会談)された。

 「韓日中共同宣言」の特徴は、①3カ国が韓半島及び北東アジア地域の平和・安定・繁栄のため緊密に協力する意思が貫かれており、広範な分野で38項目(文字数6500字)が合意されたこと。②「協力」という言葉が63カ所盛り込まれており、第8回同会談(19年)の46カ所に比べて17カ所増えており、これまでになく「協力」が強調されたこと。③安全保障問題での踏み込んだ言及を避けたことから、総じて未来志向かつ前向きな3カ国協力の制度化を促進すべく努めたこと。④韓日中3カ国協力は、主に「人的交流」、「持続可能な社会(共通課題に取り組む東アジアモデル)」、「ASEANとの協力(ASEAN+3で防災・地域金融・開発促進)」の3分野であること。


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