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2024/11/08

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第145回 北朝鮮の重大変化とユーラシア地政学③  多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第145回 北朝鮮の重大変化とユーラシア地政学③  多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授。業績:書籍9冊、論文・学会発表13件、三井物産向けレポート297本、論文指導数430本、論考・メディア200件、講演72件、テレビ・ラジオ出演多数。

◆徹底した対韓国政策の大転換◆

 北朝鮮の重大変化である「平和統一放棄」、「韓国は第1の敵国(主敵)」、「2つの民族と2つの国家」など対韓国政策の大転換は、その実施においても徹底している。例えば北朝鮮の海外拠点・組織に対して極秘裏に「新しい対南政策路線転換方針・13項目指示書」を通達している。主な内容は、①各団体は、「同族・同質関係としての南北朝鮮」、「我々民族同士」、「平和統一」などの言葉を使った活動を一切禁止する。②韓国人との接触を禁止する。③韓国を同族と誤導する単語・表現は、スローガン・美術作品・文芸作品・国歌歌詞・教科書から一切削除する。例えば「三千里錦繍江山」、「南北同胞」、「白頭から漢拏まで」、「統一朝鮮地図」などである。

 重大変化の3つ目は、経済的・軍事的・政治的に自信を持ち直したことである。北朝鮮は、「ロシアの戦争特需による経済的潤い」、「ロシアからの軍事核心技術の支援」、「ロ朝同盟締結によるロシアの後ろ盾」などにより強気姿勢に転じている。このような強気姿勢や自信は、南北統一を目指さない政策への方針転換や10月31日に発射した最新型の「火星19」(ICBM)など強まる軍事的挑発などの外交・軍事行動にも表れている。


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