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2024/07/12

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第141回 ロ朝首脳会談と国際秩序の地殻変動①  多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第141回 ロ朝首脳会談と国際秩序の地殻変動①  多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授。業績:書籍9冊、論文・学会発表13件、三井物産向けレポート297本、論文指導数430本、論考・メディア200件、講演72件、テレビ・ラジオ出演多数。

◆韓国はじめ北東アジアの安全保障を大きく脅かす◆

 プーチン大統領と金正恩総書記は、2024年6月19日平壌でロ朝首脳会談を開催し、「ロシア連邦と朝鮮民主主義人民共和国間の包括的な戦略的パートナーシップに関する条約」を締結した。新条約となる「ロ朝・包括的戦略的パートナーシップ」は、安全保障・経済・科学技術・保健・文化など幅広い分野で協力を強化する内容であり、全23条(4009字)で構成されている。とりわけ注目されるのは、第4条「双方のうち、どちらか一方が個別の国家または複数の国家から武力侵攻を受け、戦争状態になる場合、他方は国連憲章第51条(国際法上国家が有する個別的又は集団的自衛)と朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦の法に準じて速やかに自国が保有する全ての手段で軍事的およびその他の援助を提供する」である。これは、外部から攻撃を受けたら直ちに相互支援するという所謂、「集団的自衛権」を規定するものであり、「ロ朝軍事同盟の復活」であると見られている。もし「ロ朝軍事同盟」であるとするならば、国連安保理の決議違反であるばかりでなく、韓国をはじめとする北東アジアや欧州の安全保障を大きく脅かすこととなる。国連安保理は、北朝鮮への軍事支援や物資・技術提供を繰り返し禁じており、当然「ロ朝軍事同盟」の締結は決議違反となる。


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