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2024/06/21

<オピニオン>転換期の韓国経済 第172回                                                   中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師 

  • 転換期の韓国経済 第172回                                                   中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師 

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など。

  • 転換期の韓国経済 第172回                                                   中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師 

◆影響広がる中国不動産不況◆

 韓国では半導体を中心に輸出の増勢が強まり、景気が上向き始めた。年後半にインフレが鎮静化し利下げに転じるかが今後の焦点になろう。景気回復の進展が期待される一方、今後の経済を展望する際には中国経済の動向に十分な注意が必要である。

 韓国の対中輸出依存度は近年低下してきたものの、2024年5月時点で19%である。他方、中国からは部品や素材を多く輸入していることもあり、対中輸入依存度は22%と高止まりしている(下図)。このように貿易面をみると、中国経済の影響を強く受けざるをえない。中国の成長率は10年代に入り趨勢的に低下し、新型コロナウイルス蔓延の影響を除けば、最近では5%前後になっている。成長率の低下要因としていくつか指摘できるが、不動産不況の影響の広がりが主因であると考える。


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