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2025/01/17

<オピニオン>転換期の韓国経済 第178回                                                   中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師 

  • 転換期の韓国経済 第178回                                                   中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師 

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など。

  • 転換期の韓国経済 第178回                                                   中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師 

◆不確実性が強まる韓国経済◆

 韓国経済の先行きに関する不確実性が強まった。今月発足する米国トランプ政権の通商産業政策のゆくえに、韓国の国政混乱が新たなリスク要因に加わった。国政の混乱がいつ収拾するのかは今のところ予想できず、今後の動きを注視していかざるをえない。

 景気の現状をみると、停滞感が強まっている。四半期ベースのGDP成長率(前期比)は今年1~3月期1・3%、4~6月期マイナス0・2%、7~9月期0・1%であった。民間消費の増勢が弱く、建設投資が二期連続でマイナスになるなど内需が低迷している。7~9月期には財・サービスの輸出がマイナスになったことに注意したい。通関ベースの輸出額も伸び率が低下傾向にある(上の写真2枚目=グラフ=)。最大輸出品目の半導体は昨年40%以上の伸び(とくに生成AI向けの半導体を受託生産している台湾へのHBMメモリーの輸出が急増)を記録したが、自動車・同部品は前年水準を下回った。


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