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2012/09/14

<フォトニュース> 韓国映画「ピエタ」に金獅子賞

韓国映画「ピエタ」に金獅子賞

 世界三大映画祭の第69回ベネチア国際映画祭で金基徳監督の韓国映画「ピエタ」が最高賞の金獅子賞に輝いた。金監督は2004年にも「うつせみ」で同映画祭監督賞を受賞している。

 受賞作の「ピエタ」は、貧しさから進学を諦めた金監督が15歳から働いていたソウルの清渓川を背景に、残酷な方法で借金の取り立てをする孤独な男の前に現れた母親を名乗る女性に運命を狂わされる愛憎のドラマ。

 韓国で異端の映画監督とみなされ、これまで興行的には厳しかったが、金獅子賞受賞で韓国の観客動員数が増えており、25万人は超える見込みだ。「ピエタ」の純制作費は約1億5000万ウォン。低予算での映画制作について金監督は「最も重要なのはシナリオと作家の世界観」と述べた。

 メディア向け試写会で10分間スタンディングオベーションが続き、同映画祭のディレクターのアルベルト・バルベラ氏が「こんなことは初めてだ」と絶賛した。ピエタとは、キリストの亡骸を膝に抱き嘆き悲しむ聖母マリア像で、敬虔、慈悲の心を意味する。