カンボジアの首都プノンペンで開かれたユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は、高麗王朝の首都だった開城の歴史遺跡地区を世界文化遺産に登録することを決定した。北朝鮮の世界遺産登録は、2004年の高句麗古墳群以来2回目。
開城の歴史遺跡地区には、開城の城壁5カ区域、高麗王宮の宮殿の基壇跡である満月台、開城の南大門、史跡の「善竹橋」などを含む。
北朝鮮は07年に同地区の世界遺産登録を申請したが、翌08年に保留判定を受けた。昨年に再び申請し、今回の登録に至った。
世界遺産の登録可否を勧告するユネスコの国際記念物遺跡会議(イコモス)は事前調査報告書で「開城歴史地区は高麗王朝の支配地域を代表する遺産で構成されている」と説明。遺産は統一された高麗王朝が思想的に仏教から儒教に移行する時期の政治的、文化的、思想的、精神的な価値を内包している」と評価した。