近く韓日両政府で協議
バイクジャーナリストの賀曽利隆さん(53)が、韓国へのバイク持ち込み解禁に向けての署名運動を実施中だ。賀曽利さんは今年9月、韓国観光公社の尽力を得て、特例としてバイクで韓国一周ツーリングを実施した。帰国後、バイクによる韓日交流を実現するため、署名運動を始めたものだ。
賀曽利さんは21歳の時に、2年かけてバイクでアフリカ大陸を一周。その後も71、72年にサハラ砂漠縦断、89年には日本一周、90年には世界一周と、バイクで世界をかけめぐってきた。
86年にソウル、光州、木浦などを食べ歩き旅行して、韓国の食の魅力と人情の暖かさにふれた賀曽利さんは、バイクでの韓国旅行の夢をさらに募らせた。
しかし、韓国と日本はジュネーブ条約で四輪車の往来は認めているが、バイクにかんしては韓国は認めていない。韓国から日本にバイクで来るのも、手続きが複雑で数は非常に少ない。そのため、長年の夢であるにもかかわらずバイクの韓国旅行は実現しなかった。それが今年9月、韓国観光公社の尽力により、特例として認められたのだ。
賀曽利さんは9月3日、下関から釜関フェリーに乗って釜山に向かった。5日に釜山を出発して、12日まで8日間かけて韓国バイク一周3150㌔を達成。ルポを旅12月号(JTB発行)で発表するとともに、インターネットによる「韓国へのバイク持ち込み解禁署名運動」を、今月10日に始めた。
署名運動は2001年2月28日まで行い、3月には金大中大統領に届ける計画である。賀曽利さんは「韓国でのツーリングの醍醐味を多くのライダーに実感してほしい。バイクでの自由往来は、必ず両国の友好に貢献するはず」と話す。連絡先はhttp://rurubu.com/の「バイク韓国持ち込み署名」をクリック。
かそり・たかし 1947年、東京生まれ。アフリカ大陸、サハラ砂漠、インドシナなど世界をバイクで回るバイクジャーナリスト。著書に「50㏄バイク世界一周2万5千キロ」「バイクで駆けるインドシナ1万キロ」(いずれもJTB)など。神奈川県伊勢原市在住。
賀曽利さんコメント
今回のバイクによる韓国一周は、韓国側の特別な許可ということで実現したが、現状では釜関フェリーにバイクを乗せることも、韓国へのバイク持ち込みもできない。日本と韓国はこんなに近い関係だから、韓国へのバイク持ち込みが許可され、韓国内を自由に走れたらと思っている人はたくさんいると思う。
バイク解禁は日韓友好に大きく貢献できると確信するし、近い将来、日本から朝鮮半島を縦断し、中国、ヨーロッパへとバイクで走り抜けられる日がきっと来ると思う。韓国へのバイク解禁は、その第一歩になると思う。