在日同胞学生に奨学金を支給してきた財団法人・朝鮮奨学会が、今年創立100周年を迎える。これまでに奨学金を支給してきた学生数は約4万人、金額は約90億円になる。同会は24日に東京・西新宿の朝日生命ホールで、創立100周年記念「古代史シンポジウム」を開催する。
100周年記念・古代史シンポジウムのテーマは、「今よみがえる東アジアの新発見」だ。韓国、北朝鮮、日本の歴史学者、考古学者が集まり、シンポジウムを通して、21世紀に向けた学術文化交流のみならず、南北の和解と協力を深めようという趣旨だ。
主な研究発表は、韓国が韓炳三・東国大学教授=前国立中央博物館館長=の「最近発見された百済・新羅遺跡2例」、李基東・東国大学教授の「百済史、新羅史の新発見」。
北朝鮮が石ガンヨウ・社会科学院考古学研究所古代考古学研究室副教授の「高句麗考古学の新しい成果」、蔡泰亨・社会科学院歴史研究所ボッカイ史研究室室長の「ボッカイ歴史、考古学の新しい成果」、そして日本が西谷正・九州大学教授の「古代朝鮮と日本の交流」である。
古代史研究には現地調査が必須だが、南北分断という状況下、韓国では高句麗、北では新羅や百済の研究が遅れていた。今回は南北の古代史研究家が集まることから、その空白を埋めるシンポジウムとなるものと大きな期待がなされている。民団系の高桂煥・代表理事、総連系の権碩鳳・代表理事とも「自民族の歴史を共有する作業に」と、準備に余念がない。
シンポジウム後のレセプションでは、民団、総連の代表を招いて祝辞をもらうことも計画されており、在日社会の和合と交流も意識した催しとなる。
●激動の100年
朝鮮奨学会のたどった100年は、韓半島の歴史そのものともいえる。奨学会は作られたの1900年、旧韓国政府が日本に派遣した留学生のために、東京の「韓国公使館」で事務作業を行ったのが最初だ。
日本の植民地支配になり、「朝鮮総督府留学生監督部」などを経て、43年10月に財団法人・朝鮮奨学会の認可を受けた。
45年8月の解放後は、南北分断と在日社会の分裂を受けて、運営体制に混乱を来たした。
しかし57年に、韓国籍・朝鮮籍・日本人の3者による理事会に改善して、財団運営と奨学金育英事業正常化の基礎を築いた。
61年に同胞学生に対する本格的な奨学金給付事業を再開以来、今日までに約4万人、総計90億円の奨学金を支給。数多くの卒業生が南北と日本など各地で広く活躍している。
100周年記念・古代史シンポジウムのテーマは、「今よみがえる東アジアの新発見」だ。韓国、北朝鮮、日本の歴史学者、考古学者が集まり、シンポジウムを通して、21世紀に向けた学術文化交流のみならず、南北の和解と協力を深めようという趣旨だ。
主な研究発表は、韓国が韓炳三・東国大学教授=前国立中央博物館館長=の「最近発見された百済・新羅遺跡2例」、李基東・東国大学教授の「百済史、新羅史の新発見」。
北朝鮮が石ガンヨウ・社会科学院考古学研究所古代考古学研究室副教授の「高句麗考古学の新しい成果」、蔡泰亨・社会科学院歴史研究所ボッカイ史研究室室長の「ボッカイ歴史、考古学の新しい成果」、そして日本が西谷正・九州大学教授の「古代朝鮮と日本の交流」である。
古代史研究には現地調査が必須だが、南北分断という状況下、韓国では高句麗、北では新羅や百済の研究が遅れていた。今回は南北の古代史研究家が集まることから、その空白を埋めるシンポジウムとなるものと大きな期待がなされている。民団系の高桂煥・代表理事、総連系の権碩鳳・代表理事とも「自民族の歴史を共有する作業に」と、準備に余念がない。
シンポジウム後のレセプションでは、民団、総連の代表を招いて祝辞をもらうことも計画されており、在日社会の和合と交流も意識した催しとなる。
●激動の100年
朝鮮奨学会のたどった100年は、韓半島の歴史そのものともいえる。奨学会は作られたの1900年、旧韓国政府が日本に派遣した留学生のために、東京の「韓国公使館」で事務作業を行ったのが最初だ。
日本の植民地支配になり、「朝鮮総督府留学生監督部」などを経て、43年10月に財団法人・朝鮮奨学会の認可を受けた。
45年8月の解放後は、南北分断と在日社会の分裂を受けて、運営体制に混乱を来たした。
しかし57年に、韓国籍・朝鮮籍・日本人の3者による理事会に改善して、財団運営と奨学金育英事業正常化の基礎を築いた。
61年に同胞学生に対する本格的な奨学金給付事業を再開以来、今日までに約4万人、総計90億円の奨学金を支給。数多くの卒業生が南北と日本など各地で広く活躍している。